秘書と野獣

「っまえは! ほんっと! 今からこれじゃ先が思いやられるっつーの!」

「えっ?!」

せっかく眼福な光景だったというのに、見るなと言わんばかりに体を反転させられると、何故かそのまま思いっきり腰を高く上げられた。
これはいわゆる四つん這いという状態で…

「可愛いウサギが散々煽ってくれたことだし、ありがたく朝飯をいただくとするかな」
「へっ? って、へええぇえぇぇっ???!! ちょっ、うそっ、まっ…!」
「待てるわけねーだろ。こっちはもう準備万端だ」
「あっ?! あぁっ…!」

有無を言わさずに私の中を社長が埋め尽くしていく。と同時に、昨日までは確かにあったはずの痛みが今は全くなくなっていることに驚きを隠せない。
っていうか今、朝ですからっ!!

「ふっ…昔からお前は不器用だったけど、その分一生懸命だったよな。こうして不器用なりに必死に俺の形もすぐ覚えて…ほんと、お前は可愛い奴だよ」
「ななっ…! し、社長! 発言がエロ親父になってますからっ!!」
「あーん? 誰がオヤジだと? だったら俺がオヤジかどうか、自分の体で確認するんだな」
「へっ?! あ、あぁっ、ーーーっ…!」




____間違った。

明らかに、押すボタンを間違えてしまった…!!!


必死にごめんなさい私が悪うございましたと発言を撤回しても、ウサギに二言はねぇとかなんとかわけのわからないことを言われながら、私はそのまま翻弄され続けた。



そうして、野獣相手に地雷を踏んだら本気で死ぬと思い知ったのである。

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