誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。



「敵を迎え撃て!!」



銃声が、私たちを出迎える。



「帝、柔風。」



桜悠の能力で銃弾を防ぐ。



「まさかこの1階の時点であんなに人数いるとはねー。」



「ありゃあ、上にも相当な数いるな。」



「これは別れた方がいいかもしれないね。
僕たち全員がここにいても時間の無駄だよ。」



由樹さんの言う通りだ。



全員が固まってしまうと、それだけ危険も大きくなる。








「悪魔、The Devil。」








私たちの前に悪魔が2体召喚された。



「レディ。ここは任せてクダサイ。」



カイさん……。



「んじゃ、俺もここに残るわ。」



「僕も。」



燐理……そして由樹さんも……。



「俺と由樹はお前らみてぇな特別な能力はねぇ。
真琴のそばにいると足でまといになるからな。」



「真琴ちゃんは上にいくことだけを考えて。
心配しなくても僕たちは大丈夫だから。」



2人はそう言うと、いつものように微笑んでくれた。



「……真琴。」



「……うん、行こう。
みんな……絶対死なないで。」



3人が頷いたのを横目に、私たちは階段を登った。














(由樹side)



真琴ちゃんたちが登ったのを横目に、僕たちは敵を見据える。



「この人数、どう思う?燐理。」



「どうもこうもやるっきゃねぇだろ。」



まったく……頼もしいね、燐理は。








でも、なんだろうね。



死ぬかもしれないのに、全然怖くないんだ。



大丈夫だって心のどこかで分かってるからかな?



僕と燐理は、懐から札を取り出す。



真琴ちゃんの式神。



これが破れるまで、僕たちは立ち続ける。



〈カイくん、とっておき出しちゃおうよ〜!!〉



「笑真のお望みなら聞かないワケにはいきマセンね。
降臨せよ……死神、Death。」



さっきの悪魔の倍ほどある死神が姿を現す。



相手は悪魔と死神を見て、恐怖に満ちている。



「相変わらず、神賢者っつーのは有り得ねぇなぁ。」



「そうだね。
じゃあとりあえず、妹のあとを追わせないようにここで潰してあげようか。」



「のった。ぶっ潰してやる。」



「レディを傷つける輩は許しまセン。」



僕たちの役目はここまでだから……あとは頼んだよ。



end
















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