誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。






「楽。サラ。
初めて声を掛けてくれたのが楽で良かった。
楽の隣にいる時が一番楽しかったよ。
サラ、楽のことよろしくね。」



「僕も、真琴と一緒にいれて良かったよー!!
これからも、もっともっと色んな場所行こうね!」



〈お任せ下さい。
楽は私が必ずお護りします。〉



初めはうるさくてしつこかった楽だったけれど、そのお陰で私はここが居場所になった。



そのきっかけを作ってくれたのは、楽だよ。








「桜悠。帝。
桜悠の本当の笑顔が大好きだよ。
これからはもう隠さないで。
桜悠と帝は良いコンビだよ。」



「その笑顔を引き出してくれたのは真琴だよ。
だから、今度からは一緒に笑おうね。」



〈ケケケッ、腑に落ちねエけどコイツは使えるからナ。〉



桜悠の悲しみを知ることが出来て良かった。



一生傷は消えないけれど、もうそれを1人で抱え込む必要はなくなった。








「……来都。シヴァ。
私を見つけてくれてありがとう。
私を見守ってくれてありがとう。
たくさんのごめんとありがとうを、今のあなたたちに一番言いたい。」



「……そんなの、これからだって言えるだろ。」



〈……僕は、君みたいな人間は嫌いじゃないよ。〉



そういう2人もやっぱり似ているね。



たまに見せてくれる優しい微笑みが私は一番好きだよ。








みんながさり気なく"これから"を口にするのを、私は聞かないフリをする。








その言葉に隠された思いも知った上でそうするのは、私の決意が鈍ってしまうから。







でも……少しだけ希望を持っていいのなら。







みんなとのこれからを……私も想像していいかな?










「誰も死なせない。
護り屋の名にかけて、必ず護ります。
……じゃあ、いきましょうか。」



さぁ、最後の戦いの幕開けだ。
















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