【完】『そろばん隊士』幕末編
山本は黙考したあと、
「新撰組も洋式の新式の軍隊に変えれば良い。これだけの手練れを揃えた兵があって、砲術やさまざまな取り柄を持つ者がある。これらを新式に編隊を変えれば、長州とは五分以上に戦える」
と答えた。
ただ。
「しかしながら、それがしはかような目である。しかとその眼で見届けられるとよいかと思われる」
会津に山本あり、とのちに岩倉具視から言われただけの説得力は、持ち合わせていたらしかった。