【完】『そろばん隊士』幕末編

が。

河合は苦笑いをしながら、

「日頃の隊務では命懸けで京の民のために働いておるゆえ、たまにはと羽目でも外したのであろう」

「しかしながら、二分は高うございます」

一人二分、すなわち四人で二両の無駄を削れば、それで新式の武器を買う足しになるはずであろう。

ちなみにこの時期は一両が四分、一分が四朱、一朱が二百五十文で、四千文が一両となる。

親子五人が楽に暮らせる額が一両二分であったことから考えると、決して安い額ではない。



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