Ri.Night +
「よしよし」
なんだか可哀相になって頭をナデナデしてあげると、上目遣いであたしを見上げてくる彼方。
あ、嫌な予感。
「りっちゃぁぁぁぁん!ツンデレさいこグェッ……!」
「あ、ごめん」
習慣って恐ろしい。
条件反射で彼方の頭を押さえつけてしまい、慌てて手を離して謝る。
「ごめんごめん」
恨みがましい目で見つめてくる彼方に取り敢えず謝るけど、拗ね拗ねモードに入ったのを見た途端面倒臭くなってきて、そのまま放置することにした。
「りっちゃんひでぇぇぇぇ!」
何やら叫んでいるけど、無視無視。
「あ、もう終わったのか?」
最初から無視を決め込んでいる陽、煌、壱さんは既にカウンターに座ってメニューと睨めっこしていた。
陽は珍しいけど、煌と壱さんのスルースキルは表彰状ものだと思う。