Ri.Night +
「そ、そうか」
「その一回なんてな、グェッ!……っ、こんな風に絶対邪魔が入るんだからな!!」
雷さんから彼方へと移動するや否や、彼方越しに伝わってきた振動。
最早お馴染みとなっているそれに、若干呆れながらもされるがままになっているあたし。
「いてっ!ちょっとぐらいいいだろ!お前はいつもひとりじめ出来んだから!」
いつもなら十夜に蹴られてすぐ離してくれる彼方だけど、今日は変な主張で興奮してるらしくなかなか離してくれない。
「十夜のケチー!」
「うざい」
「いっ゛……!」
ちょ、結構な振動がくるんですけど!
このままだと彼方がサウンドバックになりそうだったから、とりあえず離してもらおうと彼方の背中をポンポンと叩いた。
「彼方、痛いでしょ。一旦離して」
そう言うと、すんなり離してくれた彼方。
どうやら思ってたより痛かったらしい。