永遠片想い〜偽り女子の恋物語〜
紗江子の声で我に帰る。



「あっ。わりぃ……」


俺が軽く謝ると
ふふっと笑った。



やっぱりその顔は誰よりも
可愛くて。


「あ。何がいい?」


照れ隠しでそう言うと
彼女はうーんと悩みだした。


「敦くんはなにが好きなの?」


えっ?俺?


あまり甘いものは好きじゃない。
想い出の食べ物と言えば……


「チーズケーキ。」


よく焼いてくれたんだ。
亡くなった母が。


だからケーキの中でチーズケーキが
1番うまいものと思っていた。


ショートケーキや
チョコレートケーキより
はるかに安いけど、俺は何よりもチーズケーキが好きだ。


「じゃあ、チーズケーキ2つもらおうかな。」


「えっ⁉︎」


俺は驚きの声をあげた。
なぜなら紗江子はいつも
ショートケーキを好むから。



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