湖都子のポエム7

忘れていた恋心


再会した彼女は初恋の人だった

忘れていた恋心を思い出す

前よりもかわいくなってて

あきらめたつもりだった恋
再会して思い出した
そしてまだ彼女が好き

こんな日がくるなんて
思っていなかった
だけど彼女は俺のことを覚えてなかった
_________________________________________
俺の家に新しいメイドがきた。一目でわかった。初恋の人。

高校生の時、交通事故で足を怪我した。日常生活はできるようになったけど、サッカーを続けられなくなって荒れていた。そんな時に出会った人。院内の喫茶室でジュースを飲んでいた。近くでなんか揉めてる人達がいた。「あんた達親子のせいで息子が怪我をした。もう会わないで……」
「病院内でやめてください。」と、看護師に言われて出て行った。
後に残ったのは、女の子と看護師……
「あなたのせいじゃないから、気にすることないわよ。」
「いえ、言われてもしょうがないです。怪我をしたのは事実ですから……」
そこへ、おばあさんがきた。
「美緒、遅くなってごめんね。もう大丈夫?」
「うん、もう平気だよ。帰ろう……おばあちゃん」
2人が帰っていた。残っていた看護師に聞いた。
「あの……彼女何があったんですか?」「騒がしくて、ごめんね。」
「彼女のお母さんが交通事故にあって、亡くなったのよ。その知らせを聞いて、過呼吸の発作をおこして処置が終わったところで、あの人たちと……」
そのあとも、何度か病院でみかけた。誰かのお見舞いにきてるみたいだけど、看護師に花を渡して帰っていく。この間の看護師に聞いたら、亡くなった母親の恋人で、この間の人達の子供か……
初めて声をかけた
「誰かのお見舞い?」
「はい。」
「会っていかないの?」
「お花を届けにきただけですから……」と、優しく微笑んだ。
「あなたは……?」
「足を怪我してリハビリ中なんだ」
「早くよくなるといいですね。」と、花束の中から一本抜いて、俺にくれた。
それが彼女を見た最後だった。入院していた人が退院したらしい。

それから、リハビリを頑張って普通に生活できるようになった。サッカーはできなくなっただけ……頑張って勉強して、結構有名な大学に入った。そのあとは、父親が経営している会社に勤めていた。多分、あの時彼女に会わなければ……もっと荒れていたんだろうな……柄にもなく、あの時の花を押し花にして、ずっと財布に容れていた。

新しいメイドが入った。俺はすぐに気づいたけど、彼女は俺のことを覚えてなかった。一度話しただけだし……

淳一の初恋の思い出……


< 20 / 81 >

この作品をシェア

pagetop