湖都子のポエム7

諦めなくてよかった


今まで諦めてきたことがある
色んな理由をつけて……
でも全部言い訳だった……んだよな

彼女がすごく努力してる姿を見て気づいた
オレって努力した?

どんな困難も乗り越えていく彼女
すごいと思った

彼女はオレの憧れっていうか……
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数年前、オーディションに落ちまくり、諦めようとしていた。

たまたま入った喫茶店。
ウエイトレスに声をかけられた。
「夢に向かって頑張ってるのって、素敵です。頑張ってくださいね。」
頑張ってるのに、成果がでなくて、イライラしていた俺は……
「何も知らないくせに、お前に何がわかるんだ……」
って、言ってしまった。
「余計なことでした。気を悪くさせてしまって、すみませんでした。」
そのまま店を出て、家に帰った。だけど、八つ当たりしてしまったことを反省した。

翌日彼女に謝ろうと、喫茶店を訪れ、彼女が店を辞めてしまったことを聞いた。なんか……後味が悪い……辞めた理由は……?

何度か喫茶店を訪れ、色んなことがわかった。父親は、子供の頃に離婚していて、母親と祖母と3人で暮らしていたこと。中学の時に母親を交通事故で亡くしたこと。ピアニストになる夢を諦めて、今は祖母と暮らしながら高校に通ってること。朝新聞配達、放課後は喫茶店でバイトしてること。だけど、いつも笑顔で……

そんな彼女に、俺はあんなことを……言ってしまった。謝りたくても、彼女はどこにもいない……

俺は彼女ほど努力してない。言い訳して、諦めようとしていた。自分の意思とは関係なく、諦めなきゃいけない人もいるのに……

心の声が聞こえた気がする。いつまで逃げたら気が済むんだ?もう逃げるのは、やめるから……

あれからがむしやらに頑張って……夢を追いかけた。やっと、バンドでデビューが決まった。これも、全部あの時の彼女のおかげ……

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