東の空の金星
「な、なんでこんな時間に起きてるんですか?」

とオーナーとわかったオトコに聞くと、

「別に起きててもいいだろう。」

と素っ気ない返事があるけど、少しアルコールに匂いがするかな?

「そ、そうですね。」

「おまえは何でこんなに早いんだ?」

「朝寝坊のパン屋はいません。」

「 へえ、毎朝こんなに早いのか?」

「はい。オープンに間に合わなくなります。」

「俺はもう一回寝る。」

と、なぜか、右のキッチンの後ろにある、従業員の控え室へ入っていく。

そういえば、大きなソファーがあった。

掛け物も置いてあったような気がする。


「…オーナー、さっき、
木に何か言ってましたか?」

とさっき見た光景が気になってきくと、

オーナーは欠伸をしながら、


「ツマと話してた。」


と言って、控え室のドアを閉めた。



へ?

ツマ?

木が『ツマ』?

ツマって妻?

他に『つま』ってどう言う意味 ?

オーナーって変人ですか?

いい大人なのに

酔っ払って、木を妻だと言って夜明けに話しかけている男。

マスターの先輩って言っていたよね。

確か42歳だったはず。

どうやら、私は

変わった男が住む家に勤めてしまったようだ。
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