恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
デパートに入ると、
「こっちみたいだ」と案内の表示を見て私の手を掴んでエスカレーターに一緒に乗る。

手、繋いでるよね。
これって何?

「ナナコ、こっちだよ」と、この階は海外ブランドが並ぶ場所だ。

ブランド物は持っていないわけではないが、私は滅多にこのあたりは歩かない。
緊張するのだ。

やっぱりお医者さんはお金持ちだと実感する。

間口の広い店舗の前に来た。店員が一斉に頭を下げる。
ここって男性のスーツの代名詞のようなイタリアンブランドですよね。

年配の女性の店員がやって来る。
「尾崎様、お久しぶりですね。お母様はお元気ですか?」と、声をかけてくる。

…担当の店員さんですか?

リュウも嬉しそうに、

「森さん、ここに異動になったって聞いて、1度は来ないとと思ってたんだ。」と笑う。

「今度、こっちに引っ越したから、
僕のスーツはまた、森さんにお願いするよ。」と言った。

なるほど、スーツはここで買うのね。

と、まだ、私は理解が追いついていない。


「やっと、ご結婚ですか?」と私をニッコリ見る。

私は驚いて首を横に振る。
森さんはまぁと、口を開けリュウを見る。

リュウは
「この人、結構手強くて。」と、照れたように笑い、

「夏物ジャケット欲しいんだ」と店の中を歩き出した。

…なんでそんな風に私のことを言うの?
ここでは私は恋人役?
って事?

今日のリュウはなんだかおかしい…
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