恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
私は若い男性店員にテーブルとソファーの前に案内されるが、
座れないでしょう。

なんだか居心地悪いし…

リュウのヤツ、指輪のオンナを連れてこなくてどーすると少し腹が立ってくる。



店内を歩くと、明るい色の集まったコーナーがあった。

歩み寄ると、女性物だ。
へー、ここのブランドって紳士服だけじゃないんだと、服を見る。

そこには、シックな色合いで、
でも、美しいカットのワンピースや、ドレスがかかっていた。

「気に入った?」とリュウの声。

はい?

「この、ボルドーの色のはどう?
ああ、この、ベージュは背中開きすぎてるね。パーティ用?」と森さんに聞いている。

「パーティ用ですけど、開きすぎているわけではありません。
ラメが少し入っているので、お肌が美しく引き立つと思いますが、」

「こちらの濃いピンクもお嬢様にお似合いと思いますが、
…お手にしている濃紺のワンピースは少しおとなしすぎませんか?」と、私に聞く

私は選んでいる訳ではありません。
手が動かなくなっているだけですと、
言おうとするが、

「どれも、着てみないとわかりませんよね。
お嬢様、お名前は?」と聞かれ、横からリュウが面白そうな顔で、
「ナナコ」といったので、
「ナナコ様、こちらへ。森にお任せください。」と、手を引かれてしまう。

私は
「リュウ」と情けない声を出して振り返る。

リュウは
「いってらっしゃい」と笑って手を振った。
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