恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
森さんは私をじーっと見つめ
「よし」と言って、更衣室の外に連れ出された。

リュウは
「やっと、森さんの『よし』が出たね。
このまま、食事に行くから、着ていた服はさっきの住所に送っておいてね」と森さんに笑いかける。

いつの間にか、リュウもスーツだ。

森さんが、
「そう言うと思って、タグはみんな取ってしまいました。」といった。

はい?!
私はこれを全部買ってしまったの?


「ナナコ、いつも美味しい料理ありがとう。
とりあえず、ここで、身につけているものはプレゼント。」

と、リュウは笑って私の持ってきたバッグを持ってくる。

「中身自分で移す?」と聞く。

私がポカンとしていると、どんどん私が手にしていたバッグに中身を詰め替え、

「ハイ、持って」と手に持たせ店を出ようとする。


「ま、待って、…こんなに高いもの。買ってもらえない」とやっと声を出すと、

チッと舌打ちし、

「言うと思った。でも、もう遅い。
カードで払っちゃったし、
これからナナコにからだで返してもらうから気にしなくっていいよ。」
とくすんと耳元で囁くので、私が真っ赤になって言葉に詰まると、


「冗談だよ。
これから、金曜日に弁当作ってよ。
東京で食べるから。」

と笑って、手を引いて店を後にする。

いってらっしゃいませと見送る声。

ど、どうなってるの?

私は慣れないヒールに転ばないようにと
不本意ながら、リュウの手にシッカリ掴まり、エスカレーターに乗ることになっている。
< 104 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop