恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
一応チビ太と名前を付けたけれど、
みんな、修一と呼んでいるらしい。

食いしん坊で、ゴロゴロとどこでも転がって眠り、
夢中になると、階段から落っこちたり、壁に激突したりして、
不器用な修一っぽいって事らしい。
(何かに夢中になると、他のことに気が回らなくなる。ってところが似ているみたいだ…)

この修一は、結構愛らしく、すっかり家族の一員みたいだ。

おそるおそる
「修一」と呼んでみると、『ナー』と返事があった。

…可愛いかも。
お母さんの膝でゴロゴロと甘えて喉を鳴らしている。



「また、来てもいいですか?」と、帰り際に聞くと、

「今度は、尾崎さんと一緒に来て。」と、お母さんは笑顔をみせた。


深くお辞儀をして、振り返らずに商店街を歩く。

涙が頬からいくつも滑り落ちた。
< 193 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop