恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
「俺がさあ、6ヶ月も前から広い家探してた訳って、
今でもナナコは気づかないのかなあ」と呆れた声だ。

「へ?」

「だから、俺は、ここの病院に勤めるって決めた時、
ナナコの事思い出してたに決まってるだろ。
でもさ、10年も経ってるから、イロイロ考えた訳よ。
ナナコが結婚してて、幸せに暮らしてた場合。
結婚してても不幸だった場合。
結婚してたけど別れていた場合。
子供がいた場合。
婚約者がいた場合。とか、ね」

「そ、そうなの?」私は驚く

「そうなの!
でさ、結婚してて幸せだった場合。を除いて、
俺は全力でナナコを手に入れると決めて、やって来た訳だ。」

「…」私は驚きすぎて声が出ない。


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