恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
ドライヤーで髪を乾かす私に、
「ハイ」と特製スムージーを手渡し、リュウはニッコリ笑う。

そんな風に笑いかけられたら怒れなくなるでしょ。


「リュウは今日から引っ越し休みだから、いいかもしれないけど、
私は今日仕事なの。
リュウはいったい何日休むの?」

と、リュウが引っ越した後の事はあまり聞きたくなくて、私は今日以降の予定を聞いていない。
「5日間。この後、休めなくなるだろうから、思い切って休みを取った。」

へー。

「よく取れたね。ゆっくり片付けできる。」

と言いながら、スムージーに口をつけてみる。今日のは渋くない。

「ナナコ、手伝いに来てくれる?」

と、期待している顔ですよね。
えーと、
一応明日から2日間休みを取ってあるんだけど…

この休みはリュウがいなくなったら、
きっと、すごく寂しくなって、ぼんやりしてしまうから休んでしまえと、
随分前に希望してあった休暇なんですけど…


「私は、明日は実家に帰る予定なんだけど…多分手伝いにも行ける。戻ったら連絡するね。」と、返事をする。


「ナナコは今日も休みにしてないし、明日も用事があるんだ。」と、不満そうだ。

「だってさ、ついこの間までは、リュウはこの部屋を出た後、他のひとと暮らすんだとおもってたし、
引っ越してゆくリュウを笑って見送るなんて無理だって思った」
と小さな声で言い訳する。

「ふーん、ナナコは俺がいなくなったら寂しいって思ってたんだ」と、笑って確認してくる。

そうです。

「今日も、明日も、明後日も、
リュウがいないと、私は寂しいの!」

そう言い切って、私は赤くなって俯いた。


「よく言えました。愛してるよ。奈々」

とリュウは満足そうに私の額に キスをした。
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