恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
後かたずけを終え、
看護部長に呼び出されているのを思い出した。

一応、リュウに挨拶してから、出ようとすると、
「まだ、用はすんでない」と腕をつかまれる。

まだ何か?

部屋の隅に行き「乗れ」と言われたのは大きな体重計だ。(車椅子の重さも測れるやつ。)

なんで?

いくらなんでも、人様の前で体重は計らないでしょう。
私はあなたの患者じゃないし!と腹が立って来る。

「イヤ!」
「我儘いわないで、乗れよ」
「絶対にイヤ !」と押し問答をする。

リュウがしびれを切らし、涼子先輩を呼ぶ、
「涼子さん、数字見てて」とデジタル表示を指差し、私をヒョイと抱き上げた

な、何するの?

「きゃー、やめてえ!」暴れる私にと

「こら、暴れるな、落とすだろ!」

と怒鳴って、私を抱き上げたまま、無理やり体重計に乗る。



「コラっ!!体重計が壊れるっ!」

と涼子先輩の一喝に、私が身を縮めると

デジタルの表示が音をたて、重さが測れたことがわかる。

「はい、降りていいよ。」と

リュウの手から降ろされると、私は力が抜け、椅子に座り込む。

リュウは今度は自分だけ体重計に乗っている。

差し引いて私の体重を出しているのだ。

いったい何?
理不尽だ。
オンナノコの体重をいきなり測るなんて…


「酷いよ、リュウ…、なんでこんな事するのよ」

みんなに注目されているし…恥ずかしさで、涙が盛り上がっている。

涼子先輩とチョット足りないなど、言い合っていたリュウが、

涙を落としそうな私に気づくとハッとして
「ご、ゴメン!ナナコ…」と私の涙を拭こうと、手を伸ばしてくる。

私が手を払いのけると、情けない顔をして茫然としている。

「今のはリュウ先生が強引過ぎ。ナナコちゃんゴメンね。」

と涼子先輩が謝っている。

なんで先輩まで謝るんだろう。
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