恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
部屋着に着替えて戻ると、リュウが窓に向かってスマホで話している。

「分かったって。週末には帰るから。
…ちゃんと考えてる。」と電話を切り、面倒なオンナ。と呟いている。

うーん、今のは、恋人かな。
私の心臓はコトリと音を立てる。

「リュウ、なんでさっき、付き合ってないって言わなかったの?」

リュウは振り返り、
「あの状況を見られて、付き合ってないって言ったら、
身体の関係だけだって言ってるみたいでしょ。
ナナコは、そういう事が出来るオンナだって思われていいの?」と真面目な顔をする。

「…それは困るけど。」

でも、ちゃんと否定しないと、今の電話のヒトが困らないかな。

「気にするな。
ナナコは自分の事だけ考えとけ。
食べて、寝て、仕事をちゃんとして…
他の事は、それから考えればいい。
…俺は、看護部長にナナコを丸々太らせるって約束してるし、
ナナコに10年前たくさん助けられてる。
俺が救命医としていられるのはナナコのおかげだよ。
いちばん近くににいて、
ちゃんと恩を返したい。」

「リュウの恩返し?」私はちょっと笑う。

「人を鶴みたいにいうな。
でも、まあ、そんなとこかな。」とニッコリする。


…リュウはその話、ちゃんと知ってる?
鶴は恩を返ししてる途中でいなくなちゃっうんだよ。
と、心の中で呟いた。


「でさあ、俺、考えたんだけど、」

「俺を居候させてくれない?」

「…?」

何を言いだすんだこいつは!?


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