あの日失った想い
「由佳里…あんた知らないの?今の郁麻の容態を」

「え?」

私が聞き返すと、仁美は「まじかー」と頭を抱えていた。


仁美は真剣な仁美を私に向けて、言葉を放った。
冷たい風が私たち2人を包み込む。


「郁麻は少し前に、容態が急変してやばい状態なのよ」


仁美が苦痛そうに叫んだ。



容態が急変?やばい状態?

ナニソレ。シラナイ。


「それ、本当なの?私…訊いてないよ」


どうやら仁美は、ハルとお見舞いに行ったときに知ったらしい。



どうして、私には教えてくれなかったの。

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