てるてる坊主にコロサレタ
そのてるてる坊主は見覚えがあった。

わたしを無視するようになった実宇子が家庭科で余った布で作っていたもの。


『顔を書かれた人は首なし坊主に持って逝かれる』


その話は迷信ぐらいにしか思っていなくて本気にはしていなかった。

けれどこれが吊されたことは、実宇子ちゃん達がわたしのことを“死ね”と望んでいることを意味していて。


『友達』って信じていたのに


わたしの存在ってなんなんだろう。
どうしてこんなに辛い思いをしなきゃならないの?


泣きながら固く結ばれたてるてる坊主を外していたら、いつの間にか首のない袈裟姿の人間が門の向こうに立っていた。

その左腕には汚れた頭蓋骨を抱えていて。
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