てるてる坊主にコロサレタ

奈穂実は申し訳なさそうに少し首を傾けた。


「でも家族のことを言われるは許せないし、うちの父さんは自殺するような人じゃないから」

「…そうだったんだ」

「家を売って借金は返し終わってたの。家族3人でまた1から頑張ろうって言ったその日の夜だよ。死ぬ理由なんてどこにもないのに、警察は全然取り合ってくれなくて」


空を睨むように話す奈穂実に、わたしはかける言葉が見つからなかった。
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