三月の雪は、きみの嘘
どうやら拓海くんもひとりで昼食をとっているみたいだけど、私と違って、いろんな人がときおり話しかけている。

彼も、そっけなく答えながらもたまに軽く笑っている。


あ、笑うと目が線になるんだ。


クールで無口な感じだけど、本当はやさしい人なのかもしれない。

あまりに長く見ていたせいか、拓海くんがふいに私のほうへ顔を向けたから、とっさに顔を伏せた。


別に恋してるわけでもないのに、胸が鼓動を速めているのがわかる。


お茶をぐいと飲むと、視線から逃れるように教室を出た。



だけどトイレに向かう間も、まだ胸の音が近くで聞こえるようだった。



















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