どきどきするのはしかたない
「…課長?」
「ん?」
「ご飯が終わったらどうします?良かったらお風呂入りますか?」
「涼葉はどうして欲しい?」
あ、私は…。
「課長に疲れを取って貰いたいです」
「俺が居た方が疲れが取れるのか?それとも、居ない方が疲れなくていいのか?」
「え?あ、違います。質問の意味が違います。私の疲れでは無くて、課長が疲れているなら、その疲れを取って欲しいからっていう意味で言いました」
「俺は、朝、目が覚めた時に、俺の腕の中に涼葉が居たら、疲れなんて無いな」
それは…今日に限らず、日常に対する要望でしょうか…。あ、では、今晩はどうしましょう…。
「…んー、残念だけど、着替えも無いし、今夜は帰るよ。ちょっと寄るって…約束だったしな」
「課長…」
思ってても言えないけど、帰らないでって、言った方が可愛いですか?そうですよね。素直じゃないと、何も思ってないのと同じ。
「…帰らないでって、言ってもいいんだぞ?」
頭を撫でられた。
「…、あ」
…やっぱりですよね。着替えなんて無くてもいいじゃないですかって…、引き止めた方が。
「んー、さて…、帰るとするかな…」
玄関まで一緒に行った。
「…寂しいな、帰るって」
…私が良く無い。
「課長…」
「涼葉は昔から聞き分けがいいよな」
…え?
「…涼葉」
靴を履いた課長は振り向いた。顔を両手で挟まれ見つめられた。顔が近づいて来るのが解った。課長の目線がゆっくり下がった。…唇が触れ、食まれた。課長の唇…、ゆっくりと食み続けた。手を離されて腰に回された。チュ……チュと…、ゆっくりと軽く触れる口づけに変わった。
「ん゙ー、本当ならここで抱き上げて、ベッドに戻りたいところだけどな、…はぁ、涼葉〜」
「は、い?」
「大人だな…涼葉…」
「え、あ、違います、でも…」
「俺は…子供だ…。往生際が悪い。涼葉は顔色一つ変えない。偉いよ」
…違います。言えないだけです。
「課長、エレベーターまで一緒に行きます」
「…涼葉。エレベーターか……うん」
え?