どきどきするのはしかたない
「…あの日以来なんだ。俺は…好きで堪らないんだ」

「…課長は、私に何か話したい事は無いのですか?」

「…あるよ。だから連絡した」

それ。それが聞きたい。

「…それは、何ですか?」

「こんな感じで言いたく無いな。涼葉を泣かせてしまったし」

ゆっくり振り向かせ、頭を撫でてキスを落とす。それなら、私が話があると言った気持ちも解るだろうに。

「一緒に住むのはまだまだしたく無いって言ってただろ?」

「…は、い」

今はその事は…。言って欲しいのはそれじゃ無い。

「同じ事かも知れないけど、だったら、あまり生活を意識しなくていいように、部屋に泊まって帰るようにしたらどうだ?
こんな風に二人の時間を過ごして、…話をして、朝まで一緒に居る。
無理はしない。時間を無理には作らないけど、こうしてこの部屋で。
お互いご飯を済ませてからなら、涼葉だって、妙なプレッシャーを感じないで済むだろ?
食事の準備とか、掃除、洗濯、関係無い。何も気にしなくていいんだ。それなら、新鮮味も薄まらないだろ?」

「課長…」

そんなに譲歩してまで、…何故、私を。身体の合相ですか?

「どうして、そんなに…」

「そんなに?そんなの決まってるって言ったじゃないか。涼葉が好きだから、涼葉が居てくれるだけでいいんだ」

…はぁぁ、甘い…出来過ぎている。こんな甘やかし、話が良すぎるんじゃないですか?…。
何も出来なくても、しなくてもいいって言ってまで、私は必要な存在なのだろうか。…自惚れでは無い。身体だけが目的…。やはりこれはセフレというのではないだろうか。

「まだ何か望み?」

「え?」
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