どきどきするのはしかたない
「こんなに言ってるのに、まだ何か足りない?」
…え?…何か…課長、…違う。んん、…ふ。唇を甘く食まれた。
「…涼葉、あの時もそうだった。キスだけで…可愛い顔するよな…」
え?
「…堪らなくなるよ」
…ぁ、…ん。
「身体の合性だって…凄くいいし…」
課長の手が身体をなぞる。指先を滑らせる。
「あ、もう駄目、…待ってください、出来ない…」
「今日、泊まって行けばいいよ。朝、送るから」
そういう事では無い…。
「決めよう、さっきの話。涼葉がこの部屋に来て、来た日は朝まで一緒に居るって。来た日はそういう日だ。いいよな?特に支障は無いだろ?」
課長は上書きした七草さんの付けたしるしをどう思っているんだろう。…怒っているのは確か。それを私が言おうとしたら、また、言うなって言われてしまうのだろうか。
…待って…そうだとしたら…。
私が何をしていても構わないっていう事?…。こんな風にここで会って、シて…、に従えば、それでいいっていう事にならない?
…。
「課長、私達、結婚て…」
「…家事、俺の為には出来ないんだろ?」
「え?」
「さっきも言っただろ?涼葉が家事のプレッシャーを感じないで居られるように、話したじゃないか」
「それって…」
「…今のままでは、結婚しても涼葉は潰れるだろ?
頑張ろうとしたとして…自分で追い込んで無理をして、自滅するかも知れない。だから直ぐには無理だろ?」
そういう事か…。でも途中で何か、話し方が面倒臭そうだったけど。…勘違いだろうか。
「出来るようになってからしてもいいんじゃないか?」
それは出来なければ無しって事…だ。いつまでも、いい歳をして、やりたくないなんて甘えてる女なんて、奥さんにはしたく無いよね。