どきどきするのはしかたない

はぁ…もう、…どういうつもりで…。試さなくていいじゃない。…ただ好きでいいじゃない。
だけど、…あの時、課長が抱き寄せようとしているのを突き放さなければ、嘘だよって、抱きしめられて…そんな話になっていたんだ。…きっと、そう。
試す事も、気持ちも、上手く噛み合わなかったんだ。…あの状況では出来ないよ。

…でも、課長はいつぞやの言い方だと、結婚は無くなったと言わなかっただろうか。
結婚の話は、元々は本当にあった事だったんじゃないだろうか。…ん?

その結婚話は何らかの理由で無くなった…。
好きである事と、結婚は別だとも言っていた。それは作り話?
でも、その言葉通りなら、政略結婚のような話があったのだと取れる。
好きじゃ無い人と結婚しようとしていた…。それもあって、私の気持ちを確かめたかった。
好きじゃ無かったとしても、私が承諾すれば、この関係は続けたい…。
でも、私は、好きだったと言った。言ったから結婚話を無しにした…。んー、んー?
あー、もう…何が先の話だったか解らなくなって来る…。

とぼとぼと、気が付けば部屋に帰って来ていた。
ブツブツと考えを巡らせながら歩道を歩いていた私は、ちょっと敬遠したい人物に見えていたかも知れない。

バーで似たようなカクテルを飲んだのだけど…。
冷蔵庫の中のカクテルは、これを取ると残り2本になる。
お風呂も着替えも後回し。
手にしてベランダに出た。

枠に身を預けるように腕を掛け、シュポッとタブを開けた。
…複雑過ぎて、答えなんて…思い通りになんて出せない。言えない。涙も出やしない。
好きなら好き、嫌いなら嫌い、そういう事ではあるけれど。はぁ…本当に…好きだと解ったのに、捻くれてしまった。
好きだからつき合う、に、全てならないのかも知れない…。
はぁ…、素直になれなくて、というか、なりたくなくて、自分から拗らせてしまった。
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