どきどきするのはしかたない
もういつもいつも受け身って事でも無い。
でも忙しくしているのが解っていて、今、何かしらする事は避けたい。
仕事の妨げになるような事はしたくない。
もっと遅くなってから、課長が確実に家に帰っているくらいの頃に『お疲れ様でした、おやすみなさい』というメールが出来ればいいかなと思っている。
急に特に何かが変わる訳ではない。
気持ちをちゃんと確認してつき合いだしたという事であって、今までと何等変わりはない。
出来合いの物で簡単にご飯を済ませ、お風呂にも入り、ベランダに出た。
どっぷりと闇に包まれると流石に夜風は涼しい。
どうやら今日は新月らしい。
そう思って眺めると、いつもより星が若干多く見えるのは気のせいだろうか。環境からして夜空の明るさはそう変わりが無いと思う。
周りがもっと暗ければ、もっと見えるのだろうけど。
…ふぅ。そろそろ課長に連絡して見ようかな。
部屋に入り、携帯を手にした。
【お疲れ様です。もう帰られてますか?
ご飯も、お風呂も済みましたか?
私はもう寝るだけです。ごめんなさい。笑】
…。まだ、ちょっと早かったかな。
ブー、…あ。
【ちょっと前に帰ってるよ。風呂はまだこれからだ】
あ、遅かったんだ。ご飯を食べて帰って来たのかな。
【明日は何してる?】
…え?
【うちに来るか?それとも、どこか出掛けるか?】
…あ。
【今まではよく解らなかったから、夜、会ってただけだっただろ?
もう違う。これからは俺の休みは涼葉のものだ】
…あ、課長…。
【取り敢えず、明日うちに来るか?】
…行く。行きます。行かせてください。
【今直ぐにでも行きたいくらいです。行きます、明日】
…。
あれ?お風呂に行ちゃったかな。
【馬鹿だな。明日まで待てなくなるだろ】
…あ。課長〜…。私も、会いたいな…。
【明日、何時でも構わないから。待ってるよ】
【はい。出る前に連絡してから行きます。おやすみなさい】
【おやすみ。よく寝ておくんだぞ】
もう、課長。子供じゃないんだから。…フフ。……はぁ。……会いたくなっちゃった。