どきどきするのはしかたない
頭の上に花が咲いているんじゃないかと思った。
ボーッとした寝起きの頭の周りで、蝶々も飛んでいるんじゃないかって。
自覚はある。…浮かれていたって。
だって…。
『これからは俺の休みは涼葉のモノだ』って、課長が言うから。
あ、勿論、私の休みだって、何だって、課長のモノだ。それは私だって同じ気持ち。
嬉し過ぎて、同じですって返せなかったけど。
はぁ、眠れる訳がないよ。
だから、起きたらこんな時間に…。
課長に慌てて連絡した。
【課長、おはようございます。いえ…もう、こんにちはの時間ですね。
中々寝付け無くて、眠ったと思ったら、いえ、眠ったかどうかその瞬間は記憶が無いのですが。
寝坊してしまいました。
どうしたらいいですか?】
…もう、お昼前になっていた。
アラームだって、止めてる。スヌーズなんて、何の力も無かったようだ。
【大丈夫だ。今からゆっくり支度してくればいいよ。
ランチタイムに間に合うくらいに来てくれたらいいから。
うちの近所だが、そこでランチしよう】
【はい!】
【慌てなくていいから。自分の気の済むように、準備が整ってからでいいからな】
あ、は。そうとう酷い状態だってバレてる。
これって、課長のせいですから。
課長って、今更ですが、歩いているだけで、女子社員は立ち止まり目で追う、そんな人なんですから。