どきどきするのはしかたない

【出来ていないと言ってる人の方が、生活が変わるタイミングで案外したりするもんだよ。
要領良くしたらいいんじゃないかな?】

…んー、これも、過度な期待はしてないように思わせて、実は、…やれるんじゃないのかって、少しは頑張れよって事ですよね?
とにかく、開き直って出来ない事を当たり前のように甘えるなって事ですよね?

でも…結婚の話をしてる訳じゃないんだ。そんな話は今までした事は無い。
プロポーズされてる訳じゃ無いし、好きだって解ってつき合う事にはなってたけど、それも。今の現状は…どうなるかまだ解らない。
人としてって事で、諭してくれているんだ。

日々改善は…無い。ご飯の作れるメニューは、増やしていけるかも知れないけど…。今は出来たとしてもそのくらいだ。頑張りますって、やっぱり言えないよ。

【完璧を求めてるとでも思ってるのか?人には得手不得手というものがある。
その不得手に多少なっている?のが、涼葉の場合、料理だったり、片付けだったりなんじゃないのか?
不得手と言う程でも無いだろう、困らない程度に出来ているんだから】

課長…段々フォローしてくれようとしてるみたい。これ以上自滅してしまっては、元も子も無いって…。追い込まれたら全部投げ出してしまうかもって。やっぱり、子供扱いだ。

【何が出来ないからって、変わりはしないから。出来ない、駄目だから無し、は、無しだ】

課長…。

【涼葉の気持ち、探ってる訳じゃ無い。顔も見ずに色々言ってると、思った以上に後に残るのは、不安だったり疑う気持ちだったり、なりがちだ。
他愛無い、感情の伴わない話なら、いくらしても構わないが、大事な話は顔を見て話さなくては駄目だ。俺と涼葉はそういう関係性だろ?】

課長…。

【はい】

【良かった。まだ嫌われた訳じゃ無いんだな】

…あ、…課長。…上手です、やっぱり課長は上手です。
…。今は…。

【考え中です】

あ、こんな言い方…冷たくて、冷めた返事と取られるだろうな。

【そうだったな】

【はい】

どうして私は、ドキドキと高鳴っていたモノを一気に落とすような、そんな言葉を吐いてしまうのだろう。
課長は歩み寄ろうとしてくれていたのに。…はぁ、やっぱりどこか、捻くれている。私は…自分に甘い、都合のいい嫌な人間だ。

解っている事、指摘されるのは嫌い…。素直になれない。そういうところ、嫌なところだって自分でもよく解っているけど。直らない。
人に言われたくないって…。
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