俺の恋した生徒は…《先生×生徒》
俺はいつもの教室、数学準備室へと向かう。
ーーーーガラガラ
「楠木、お待たせ」
「あ!先生っ、聞いて!この間ツアーで北海道に行って来たんだけどね、」
俺が教室に入った途端、元気よく話し始める楠木。
話を聞きながら楠木の前の席に座ると、
「それでね、先生にお土産買って来たんだあ」
そう言ってはい、と渡された小さな紙袋の中にはピンクの水晶のストラップ。
水晶の横には北海道らしくふわふわのまりものマスコットが付いている。
「おい、なんでピンクなんだよ(笑)」
「あ、いや…か、かわいいじゃんっ」
なぜか少し焦っているように見える。
「まあ、楠木らしいな。ありがとう」
「ち、ちゃんと…付けてね?」
「分かった、付けるよ」
そうは言ったものの、どこに付けようか…
いやいや、俺が気になってるのはそこじゃない。
「楠木、無理に笑わなくていいんだからな。何か話したいことがあるから来たんだろ?」
「…っ」
やっぱりな。
「先生にはバレちゃうんだね…」
楠木は泣きながら話し始める。
やはり仕事が忙しく色々と辛いこともあり、それなのにクラスの女子達から浴びせられる心無い言葉に傷付いてたみたいで、
「…だから、悔しかった。けど泣いたらだめだって思って…」
「そうか、楠木は偉いな」
そう言いながら俺は楠木の頭を軽く撫でた。
「でも俺は我慢しすぎて楠木が壊れちゃうんじゃないかって心配だ」
楠木は涙目で俺の方を見上げる。
…っ///
不謹慎にも自然と上目遣いになる楠木をかわいいと思ってしまった。