哀しみの最果て
寝起きのおぼつかない足取りで陽子のもとへと近づく。


「やぁ。おはよう。」


陽子は振り向かずに目の前の卵焼きに焼きながら答えた。


「あら、おはよう。比奈に起こされたのかしら?」


横顔から薄っすら笑みが伺える。


「ああ。もう一眠りしようとしていたら天使に起こされてしまったよ。」


真は比奈の頭を撫でながら窓の外を見た。
< 3 / 177 >

この作品をシェア

pagetop