さよなら流れ星
『…ひなた、』
聞こえてきたのは優しい声。
しゃがんだまま、目を閉じたまま、その声に耳を傾ける。
『誰にも言えずに、家族にも友達にも相談できずに、ずっと一人で抱え込んでたの?』
「…でも、今言っちゃった。流星に。」
『言ったっていいじゃん。なにがダメなの?一人でなんでも抱え込めるほど人間って強くできてないよ。』
こぼれそうになる涙を我慢しようと、ぎゅっと唇を結ぶ。
『強くなくたって、なにもできなくたっていいんだよ。俺たちはたった一人で生きていくわけじゃないんだから。』
汗か涙かわからないなにかが、頬を伝う。
『俺にはきみの話を聞くことくらいしかできないけど、それだけならできるから。だから、もっと話してよ。きみのこと。』
顔も見たことがない流星の、笑顔が頭に浮かんだ気がした。