さよなら流れ星
「…会いたい。」
その言葉が口からこぼれたのはほぼ無意識だった。
流星の声を聞くたびに心の奥に積もっていた思いが、ついに言葉となって口から飛び出た。
「あたしの話、聞いてくれるんでしょ。会いたいよ、声だけじゃなくて、顔を見て話したいよ。流星。」
堰を切ったように溢れ出す言葉たち。
「あたしのことばっかり話してるもん。流星のことも知りたいよ。」
最後の言葉はほとんど呟くようだった。
こんなの変だ。
胸がきゅーっとなる。
恥ずかしい。
恥ずかしいけど、あたしの知ってる『恥ずかしい』とは少し違う胸の痛み。
体育座りをして、左手を痛いくらいに握りしめて返事を待つ。
どくん、どくん、と心臓の音がうるさい。
『…俺も、』
いつもよりちょっとだけ上ずった声。
『俺も、会いたい。』