その笑顔が見たい
「イタ!」
「人のものに手を出すからだよ」
「翔ちんも嬉しいくせに、素直に喜びを表現しないからだよ」
仕方ないだろ、素直になると言う感情があの日からうまく機能しなくなってしまったんだから。
俺が素直に自分をさらけ出せた二人が突然に消えてから、俺の心は何か欠落してしまっているんだ。けれど、今回、聡と再会できて、まだ自分が素直になんでも受け入れられていた時間が蘇る。
「悪かったね、わかりづらくて」
「でも僕だけに見せてくれる翔ちんが可愛いからいいか」
おいおい、声が大きいよ。完全にあっち系だと誤解されるような会話だろ、それ。
「桜木、黙って食べて」
「はーい」
そんな二人の様子を忙しい時間帯でも視線を向けてしまう女性が調理場にいることなんて俺はこの時、全く気がついていなかった。
桜木はまだ何か話を続けているけれど、たいして中身もない内容だったので、聞き流しながら食べることに集中していると甘ったるい言葉で女性が話しかけて来た。その声は顔を見なくても心当たりが十分ある。
「野村さん、お隣、いいですかぁ?」
「人のものに手を出すからだよ」
「翔ちんも嬉しいくせに、素直に喜びを表現しないからだよ」
仕方ないだろ、素直になると言う感情があの日からうまく機能しなくなってしまったんだから。
俺が素直に自分をさらけ出せた二人が突然に消えてから、俺の心は何か欠落してしまっているんだ。けれど、今回、聡と再会できて、まだ自分が素直になんでも受け入れられていた時間が蘇る。
「悪かったね、わかりづらくて」
「でも僕だけに見せてくれる翔ちんが可愛いからいいか」
おいおい、声が大きいよ。完全にあっち系だと誤解されるような会話だろ、それ。
「桜木、黙って食べて」
「はーい」
そんな二人の様子を忙しい時間帯でも視線を向けてしまう女性が調理場にいることなんて俺はこの時、全く気がついていなかった。
桜木はまだ何か話を続けているけれど、たいして中身もない内容だったので、聞き流しながら食べることに集中していると甘ったるい言葉で女性が話しかけて来た。その声は顔を見なくても心当たりが十分ある。
「野村さん、お隣、いいですかぁ?」