その笑顔が見たい
月に一度ある営業会議に出席するために会議室へ向かう。
昼食を終えてから10分と休憩がなかった。
桜木は5分後に戻ってきたから、ほとんど休めず会議が始まっただろう。
「翔ちん、置いてくなんてひどい」
「余計なことばっかり話してるからだろ」
「余計なことじゃないよ。あ、帰る時におまけしてくれた彼女とちょっと喋っちゃった」
僕の眉がピクッと動いたのが見えたのだろう。
視線が眉に向いた桜木が面白そうに話を続ける。
「何話したか気になる?」
「ならないね」
「ふーん、なら言わなくていいか」
ニヤリと笑い俺から視線を外す。
「…今夜、並木亭な」
「翔ちんのおごり?」
「調子にのるなよ」
結局、桜木に負けた俺は飲みに行く約束をした。
「はい、はーい」
と上機嫌な桜木に釘をさす。
「あと、飲みに行くこと、他に声かけるな」
「わかってるって。エリカ嬢がいたら大事なこと聞けないもん」
きっと葉月のことも聞かれるんだろうなと思いながら、そろそろ聡とも会いたいと考えていた。
聡に会えれば、葉月とも会えるはずだから。