王様と私のただならぬ関係
 



「そ、それが、うちのおばあちゃんのケーキって、投げると、ゴトッと音がするんですよ」
と隣りで明日香が語り出した。

 ……ケーキがゴトッて、なんだ? と秀人は思う。

 箱がゴトッ? と思っていると、
「硬いんですけど、美味しいんですよ」
と明日香は笑顔で言ってくる。

 ケーキがか……。

 っていうか、なんで、今、おばあちゃんのケーキの話になった? と思っていのだが、かまわず、明日香は話し続ける。

「大学で、そのケーキの話をしたら、みんな、ぜひ、食べてみたいって言い出して。

 ケーキ持ってったんですよ。

 それで、早かったから、部室でみんなが来るの待ってたら」

「待て。
 なんの部活なんだ?」
と訊いてみると、

「フットボール部ですね。
 マネージャーをちょっとだけ」
と言う。

 意外だな。

 失礼だが、ぼーっとしていて、人の世話をまめに焼きそうなタイプには見えなかったのだが、と思っていると、案の定、

「友だちが、好きな人がフットボール部に居るから、マネージャーをやりたいって言ってきて、私も引きずり込まれたんですけど」
と言ってきた。
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