王様と私のただならぬ関係
「うちのお父さんもそういうタイプなのでわかります」
と言うと、

「そうか。
 君のお父さんは大学教授だったな」
と言われる。

 小笠原は、再び、秀人を見、

「優秀なんだがなー。
 変わり者だからな」

 そう呟き、まとめたあとで、
「ほら、行くぞ」
と背を叩いてきた。

 そんな会話が聞こえているのかいないのか。

 振り返ってみても、葉月秀人はやっぱり、彫像のように動いてはいなかった。




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