漆黒が隠す涙の雫
私もお兄ちゃんにとって一番の理解者であれたらいい。
そう思ってた。
だけど、違った。
私が知っているお兄ちゃんは私の前でだけのお兄ちゃんで、本当のお兄ちゃんは暴走族で…、復讐の為に沢山の人を傷付けていて……。
私の知らないお兄ちゃんがいる事を知った瞬間に、今までの私がひとりぼっちだった事に気付いてしまったんだ。
私はお兄ちゃんに、何ひとつ教えてもらえなかった。
お父さんお母さんに施設に預けられてから、私とお兄ちゃんはいつだって一緒に生きているんだと思っていた。
それなのに…。
そう思っていたのは、私だけだったんだ。
そう思うと、耐え難い寂しさが襲ってくる。
潤くんは、私にそんな思いをさせたくなかったって事?
だから潤くんは初め、あんなにも私を突き放したの?
「少しは潤の事、信じてあげられそう?」
私の表情を見て、眉を下げながら昴さんは微笑む。
“お兄ちゃんと私の事なんて、本当はどうだっていいんだよね?自分の目的を達成出来ればいい。…違う?”
私は、なんて酷いことを言ってしまったんだろう。
潤くんは、私の知らないところで私を守ってくれていたのに。