漆黒が隠す涙の雫
まぁ、人質なんだから当然だよね。
予想していなかったわけじゃないし…。
だけど──。
「そんな毎日迎えに来てもらわなくても大丈夫だよ?学校が終わったら、私が翼鷹の倉庫に向かえばいいんだよね?潤くんも昴くんも大変だから、倉庫で待っててくれればいいし」
さすがに毎日校門前で待たれたら敵わない。
潤くんはもちろん、昴くんだって相当目立つ容姿をしてるし、そんな二人が入れ替わり迎えに来て、その相手が私だなんて知れたら、変な噂だって立ちかねない。
それはちょっと…いや、かなり困る。
「ダメ」
だけど、そんな私の提案は、潤くんによって間髪入れずに却下された。
潤くんに鋭い視線を向けられて、思わず息を呑む。
「新が黒鷺に手出しをしようとしてる以上、それに気付いた黒鷺の矛先が、愛華に向かないという保障はない。それでなくとも、黒鷺には愛華の顔がバレてるからね」
潤くんは、名前を伏せてくれているけど、“黒鷺”という言葉を聞いただけで警笛を鳴らすように早くなる鼓動は、間違いなく黒鷺の背景に“武くん”がいるから。
ヘルメットを持つ手に、じわりと汗が滲む。
「それに、新だよね」
「……え?」


