たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
林を抜け、湖畔を走り、徒歩で30分はかかるであろう所を、あっという間にお城まで着いてしまった。

興奮するあまり、昔の調子で飛ばしてしまっていたらしい。


城門の前まで来ると、フィーアは馬からヒラリと降りる。

段々緊張してくる。

それとは悟られないように笑顔で手綱を引いて門番の前まで行くと、大切にしまっておいたゴールドのキーホルダーを見せる。


もし追い返されたらどうしよう。

ドキドキする胸。通行証は本物。後は私が不審な行動をしないこと。

大丈夫、大丈夫。自分に言い聞かせる。

門番に不安を悟られないように必死だ。

コンラートなら顔なじみですぐに通してもらえるかも知れないが、フィーアは新参者だ。



門番が丁寧に通行証を確認すると、「どちらまで行かれます?」と、聞いてきた。


わざとらしくならないように笑顔を作りゆっくりとした口調で、「はい。シュバルツリーリエのベーゼンドルフ団長の所です。この書類を届けに参りました」

家紋の入った皮の封筒を見せる。


「うんうん」と門番はうなずくと、「どうぞお通り下さい」そう言って道を開けてくれた。
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