彼と私の優先順位
私に愛想が尽きて。

溝口さんを選んだのなら。

溝口さんの献身とぶれない真っ直ぐさが慧の心に響いたのなら。



……もう慧とは一緒にいられない。

二ヶ月経つことなく、アッサリ終わってしまった二度目の恋は散々な結末で。



亜衣に連絡をしなければいけないのに。

何もする気がおきず。

身体が動かない。

ノロノロとベッドにもたれ掛かって座る以外できることはなく。

ヒリヒリ痛む胸を抱えて私は泣き続けた。



カーテンの隙間から漏れる月明りだけを私はボンヤリ見上げながら。

慧のことを思い出しては。

ただ泣き続けた。

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