彼と私の優先順位
社会人になって思うことは。

どんなに辛くても前を向いて仕事をしなければいけないということ。

無情にも朝がやって来るということ。

プライベートな感情は切り捨てなければいけないということだ。



半日以上泣き続けて。

ボロボロの心を抱えた私は。

一つのことを決めた。



最後に慧に本心を伝えようと。

慧が溝口さんを選んだとしても。

もうそれは仕方のないことだから。



この恋を卒業するために。

慧を好きだという気持ちを伝えたい。



今すぐ慧を忘れるなんてできないから。

慧の温もりも笑顔も。

やっぱり大好きだから。

せめてきちんとお別れをしよう。



逃げてばかり、誤魔化してばかりいた私だから。

最後くらい、きちんと慧と向き合いたい。



そう決心して。

慧に一通のメールを送った。


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