イジワル副社長の溺愛にタジタジです
どうしよう。
これから担当者に会うというのに、この姿では……。
それに、どうして七階?
ドゥシャインとは関係のないフロアだから、私は来たことがない。
「あの、本城さん……」
エレベーターを降り、どこに行くのか尋ねようとふと顔を上げると、彼は私の腕を支えたまま歩きだした。
「片足はつま先歩きな。ここではさすがに抱えられない。パンツ見えるしな」
「見えてません!」
まるでさっき見えたような言い方をするから焦って反論すると、彼は「プッ」と吹き出した。
「すみれちゃんは真面目だな」
「その『すみれちゃん』はやめてくださいとお願いしているはずです」
彼は私のことをたまに『すみれちゃん』と呼ぶ。
それは大体、私をからかうときだ。
「怒るなよ、すみれちゃん」
「だから!」
そんな言い争いをしながら彼が向かったのは、とある有名な靴の売場だった。
デパートがひしめき合う界隈でも、この海外メーカーの靴を扱っているのはここしかないと聞いたことがある。
有名人たちがこぞって買い求めるというこのブランドは、私たち庶民には目が飛び出るくらい高い。
これから担当者に会うというのに、この姿では……。
それに、どうして七階?
ドゥシャインとは関係のないフロアだから、私は来たことがない。
「あの、本城さん……」
エレベーターを降り、どこに行くのか尋ねようとふと顔を上げると、彼は私の腕を支えたまま歩きだした。
「片足はつま先歩きな。ここではさすがに抱えられない。パンツ見えるしな」
「見えてません!」
まるでさっき見えたような言い方をするから焦って反論すると、彼は「プッ」と吹き出した。
「すみれちゃんは真面目だな」
「その『すみれちゃん』はやめてくださいとお願いしているはずです」
彼は私のことをたまに『すみれちゃん』と呼ぶ。
それは大体、私をからかうときだ。
「怒るなよ、すみれちゃん」
「だから!」
そんな言い争いをしながら彼が向かったのは、とある有名な靴の売場だった。
デパートがひしめき合う界隈でも、この海外メーカーの靴を扱っているのはここしかないと聞いたことがある。
有名人たちがこぞって買い求めるというこのブランドは、私たち庶民には目が飛び出るくらい高い。