イジワル副社長の溺愛にタジタジです
「やっぱり売れてますか?」

「そうですね。あはは」


笑ってごまかされたような気がする。
彼の調査したところでは、リピーターが少ないと出ていたようだけど……。


「あの、最大のセールスポイントはなんでしょう」


彼は遠慮することなくズバズバと切り込んでいく。


「そうですね。発色のよさです。唇の色に負けることなく、この通りの発色をするのがこのグロスの特徴です」

「なるほど。彼女、私の秘書なんですが、少し試させていただいてもいいですか?」


突然話を振られて驚いた。


「もちろんです。お色は……」

「これがいいです。アプリコットオレンジ」


本城さんは即決した。
普段ピンク系ばかり好んで使うので、オレンジは新鮮だった。

緊張しながらグロスを乗せてもらい、鏡を覗き込む。
たしかに発色はよさそうだ。


「いいですね。さすがカミラさん」


本城さんは褒めることを忘れない。


「私たちも負けないように頑張らないと。お忙しいところ、お邪魔しました」

「いえ」
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