イジワル副社長の溺愛にタジタジです
最上階のレストランフロアに行くと、エレベーターを降りたところで、待ち構えている人がいた。


「本城さん」

「突然すみません、真山(まやま)さん」


東郷百貨店で営業本部に勤めている真山さんとは、今までに二度会っている。
副社長就任直後に挨拶に来たときと、たまたま売場で。

彼はなかなかのヤリ手らしく、どの売場のことも詳しい。
もちろん化粧品売場についても。


「先ほど確認したら、中華なら席を用意できるということなんですが、よろしいですか?」

「はい、もちろんです。ありがとうございます」


やはりランチをしながら話すということらしい。

中華の店に入ると、奥の個室に案内された。


「さぁ、どうぞ」


真山さんに促され本城さんが席に着く。

私は彼のうしろに立った。
商談ということなら、秘書としての仕事をしなければ。


「蒼井さんでしたよね。お隣にどうぞ」

「いえ、私は……」

「三人分の注文を済ませてありますから。それに、おひとりだけ空腹なのに、パクパク食べられるほど薄情ではありませんよ?」


真山さんはクスクス笑う。
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