イジワル副社長の溺愛にタジタジです
こんなところで、なにするの? 
真山さんの前なのに! 

いや、真山さんがいなくても、だ。


「なに勘違いしてる。やっぱりグロス、残ってないな」


彼がそう言った瞬間、止まっていた呼吸が再開した。


そうだった。実験中だった。
でも、そんなふうに見なくたって、わかるでしょ?


「だから、そういうところがいけないんだろ。本当は真面目なくせして、チャラチャラしたフリしやがって……」

「なに余計なこと言ってるんだ」


呆れたようにため息を落とす真山さんに、本城さんは顔をしかめた。


「そんな話はさておき、くだらない話をしに来たわけじゃないんだろ?」


真山さんのひと言に、本城さんの顔が一瞬にして引き締まる。


「やっぱりバレてるのか。あの話を聞いたんだけど」

「まったく、どこから仕入れてくるんだ?」


ふたりがなんの話をしているのか、私にはさっぱりわからない。


「どこからって、どこにでも俺に天使のささやきをしてくれる女がいるんでね」

「そんなことばかり……。で、なんだ?」


真山さんは呆れ顔をしながらも、身を乗り出してきた。
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