イジワル副社長の溺愛にタジタジです
「最低でもカミラと同じ面積。できれば、いや絶対に一番玄関寄り」

「また厳しいことを言う」

「さっき話してた口紅、実はもう改良品の目処があってね。持ちもよくて美容効果もある。必ず売れる。東郷限定カラーなんていうのもいいな」


そんな話、聞いてない。
大体、ついさっきの会議で発売延期になったばかりなのに、ありえない。


「はぁ、まいったな。ここで断言はできない。ただ、ドゥシャインの売り上げがもう少し伸びれば、堂々と推せるんだが」

「それなら問題ない。推してくれ」


本城さんは少しもひるむことなく言いきった。


「本城は自信家だな」

「知ってただろ?」


ふたりはそんな会話を交わしたあと、どちらからともなく手を出し握手を交わす。


「まぁ、頑張ってみるよ。それと、東郷限定カラーも決定だぞ。細かいことはまた」

「ありがとうございます。真山さん」


最後に副社長の仮面を被った本城さんは、立ち上がった。
そして私たちは、真山さんに見送られてエレベーターに乗り込んだ。
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