イジワル副社長の溺愛にタジタジです
しかも、パンプスは消耗品でもう二足ダメにしている。さらにこれは、二カ月前に追加で購入したばかりなのに……。


「蒼井。昼飯食いに行くぞ」

「出るんですか?」

「あぁ」


腕時計を確認すると、十一時半。
会議が早めに終わった……というか終らせたから、いつもより昼食の時間は長くとれそうだけど、忙しい彼はほとんど出前やコンビニ弁当で済ませていて、食べに行くというのは珍しい。


「はい。わかりました」

「とりあえず、だ」


彼は私の手を引き、立たせたかと思うと……。


「な、なにするんですか!」


いきなり私を肩に担ぎ歩きだした。


「ち、ちょっと本城さん!」

「少々ドジな秘書確保」

「下ろしてください!」


幸い重役フロアの廊下には誰の姿もないけれど、いつ誰に見られるかわからないのに。


「すみれちゃんは軽いな。スカート押さえておかないと、パンツ見えるぞ」

「嘘……」


慌ててスカートを押さえると、彼はケラケラ笑った。
ああっ、からかわれてる。
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