あの日から、ずっと……
 会いたいと思った時には会えず、会ってはいけないと思うと、何故か出くわす事が多い。

 その度、私はあちらこちらに隠れなければならない……



 そんな中、昼食を浅井先輩、上原主任、なぜか井口さんとテーブルを囲んでいた。



「ここ、俺もいい?」

 テーブルの前に立っているのは泰知だ。


 私は味噌汁のお椀を口に運び、答えられない振りをして、泰知から目を逸らした。


「吉川主任は、あちらの方達がお呼びですけけど……」

 井口さんがしらじらしく、こっちを見ている立花さん達を指さした。


「えっ」

 泰知は驚いた顔したが、立花さんがヒールをコツコツとならし近づいてきた。


「吉川主任、皆が待ってますよ」

 立花さんは優しい笑顔を泰知に向けた。


 泰知がためらっていると……


「ここいいですか?」

 開発部の小松さんが座ってしまった。


 泰知は仕方なく、立花さんと席を離れて行った。


 私は、ほっとしたのと切なさが混じりあって、涙を堪えるのに必死だった。

 テーブルに座っていた皆が、目を合わせて首を傾げていた。
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